韓国も金融正常化へ

昨日の東京時間にBOK(韓国中銀)は、政策金利を25bp(0.25%)引き上げ0.75%とする政策変更を発表、コロナより不動産バブルを意識した金融政策の変更としています。

今年に入り、ロシア、ブラジル、メキシコなどの新興国でこれまで利上げが行われてきたわけですが、韓国もこれで金融正常化への第1歩を踏み出したことになります。

リスク回避の動き強まる

米国時間に入り、アフガニスタンの首都カブールの空港周辺で2回の爆発、自爆テロの可能性、米兵を中心に多数の死傷者と報じられ地政学リスクが一気に高まりました。

リスク回避の動きが強まり、株価指数先物に売りが入り下げ幅を拡大、安全資産である国債を中心に債券が買われ金利は低下となりました。

為替市場では、資源国通貨主導でクロス円が売られ、AUDJPYで昨日安値79.60、NZDJPYで同76.37、CADJPYでも同86.67を示現しています。

ジャクソンホール会合を前に

本日のジャクソンホール会合でのFRBパウエル議長の講演を控え、複数の連銀総裁から「テーパリングの開始を急ぐ」発言が相次いだことも調整の動きを後押ししています。

米国時間の午後に入り実施された620億ドルの7年債の入札は応札倍率で2.336倍、前回7月の2.231倍を上回ったものの、6か月平均2.360倍は下回る微妙な結果となりました。

海外の機関投資家の応札比率は61.1%と6か月平均の55.1%は上回っていますので、グローバルの投資家からの関心はそれなりに高かったことになります。

この結果を受け、終了後には既発債にも買いが入り金利は幾分か低下していますが、為替市場に目立った反応等はありませんでした。

デルタ株の感染拡大に加え、米軍のアフガニスタンからの8月末の完全撤退を前に金融市場にまた1つ不確実性の要因が増えてしまったことになります。

こうしたなかで本日注目のジャクソンホール経済シンポジウムをむかえるわけですが、論点は昨日まとめた通りです。

仮にテーパリングを年内に開始するとしても、「経済や雇用の回復次第、データをみて判断したい」で良いのです。

そもそも、8/18に公開された7月のFOMC議事要旨のなかで「大半(most)のメンバーがテーパリングの年内開始を視野」に入れていたわけですから、市場はほぼ織り込んでいます。

オプション市場のオーバーナイトのボラティリティ(変動率)ですが、USDJPYで4.93%、EURUSDでは5.91%とこの先にイベントがあるのかと疑いたくなるほど低いのです。

ここから算出される整合的な1日の値幅ですが、前者でわずか57ポイント(銭)、後者で73ポイント、何ら平時と変わりません。

意外にイベントレスで通過かもしれません。

 

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