先週の動き

先週1週間の主要通貨の対ドルでの騰落は、上昇通貨は上位より、JPY(+0.13%)、CHF(+0.05%)となり、

一方で、下落通貨では上位より、EUR(-0.40%)、GBP(-0.38%)、AUD(-0.30%)、CAD(-0.17%)、NZD(-0.15%)と続いています。

欧州では、接種後の血栓が報告され、多くの国でワクチン接種が一時中断、フランスのパリは感染再拡大から、1か月ロックダウンを発表と、経済再開のロードマップに赤信号が点灯しています。

こうしたことから、急速な航空需要の回復が見込めなくなり、さらに原油の在庫統計で増加が確認され、原油先物価格が急落、資源国通貨群を中心に売り込まれました。

米英日で中央銀行が金融政策を発表、ただ、市場にサプライズ感を与える内容でもなく、先週比でみれば、イベントを通過した割に、小動きで週を終えています。

 

●先週予想した値幅と実際の値幅

USDJPY
予想した値幅、224pts
実際の値幅、75pts

EURUSD
予想した値幅、250pts
実際の値幅、115pts

EURJPY
予想した値幅、310pts
実際の値幅、135pts

⇒中銀の金融政策の発表を前に、予想変動率は上昇していたのですが、ふたを開けてみれば、小動きとなり、肩透かしを食らった週となりました。

 

●今週予想する値幅 68%/95%の上限/下限

USDJPY
予想する値幅、174pts
68%上限/下限、108.01/109.75
95%上限/下限、107.14/110.62

EURUSD
予想する値幅、204pts
68%上限/下限、1.1802/1.2006
95%上限/下限、1.1700/1.2108

EURJPY
予想する値幅、220pts
68%上限/下限、128.52/130.72
95%上限/下限、127.42/131.82

 

今週(この先)の展望

先週、イベントを通過したことで、何か大きな流れができたわけでもなく、単刀直入に、今週は極めて材料難の週、主要通貨は、落ち着きどころを探る展開でしょうか。

超短期的に相場を動かしそうな経済指標の発表はありますが、概して注目後は低く、材料視される可能性も低いかと思います。

FRBパウエル議長を筆頭にFRB幹部の講演が多数、さらにBOEベイリー総裁の講演等も予定されていますが、先週に金融政策の発表を終えているだけに、注目度も低くなっています。

こうしたことから、今日は、少し先までの展望をしてみることにしましょう。

 

昨年4/20、原油需要の後退、原油在庫の積み上がりから、原油の引き取り手がいなくなり、原油先物価格が-40.32ドルで取引が成立するという珍事が発生しました。

原油先物取引の買い手は、買い建玉を満期まで持ち越した場合、現引き(現物を受け取らなければならない)する必要があるのですが、貯蔵施設がなく、お金を払って原油を処分したわけです。

その後は、一部経済活動の再開から、原油先物価格は騰勢を強め、今月に入り60ドル台の後半まで上伸しました。

昨年のQ2(4-6月期)は、原油の急落からCPI(消費者物価指数)も急低下、今年はこの先のこの反動で、とんでもない驚愕の数字が飛び出す可能性があります。

この先、米金利の上昇は続くと思いますが、2013年5月、当時の元FRBバーナンキ議長が、うっかり量的緩和の縮小を口にしてしまった時の10年の実質金利(注)は、-0.30%程度でした。

(注)実質金利=名目金利-予想物価上昇率

先週末の10年の実質金利は-0.58%水準、10年債金利が1.73%ですから、後者の目途とすれば2.0%水準、それも経済指標の過熱に伴い、夏前にピークをつける可能性があります。

こうした金利の動きに伴い、おそらく、ドル相場も夏前後に一旦ピークアウトするのではないかと読めてきます。