トルコの隣国で大規模な戦闘が発生し、フラッシュクラッシュからトルコリラが新安値を更新しました。

BOEのラムズデン副総裁が、マイナス金利の導入に慎重な見方、英ポンドが安値圏より反発となりました。

トルコの隣国、アゼルバイジャンとアルメニアでは大規模な戦闘が発生、地政学リスクの台頭から、東京時間の午前にTRYJPY(トルコリラ/円)でフラッシュクラッシュ(注)が発生しました。

(注)株式市場や為替市場で、価格が一時的に急落する現象

為替市場ではリスク回避の動きから、全般クロス円が売られ、EURJPYのサポートが一旦割れ昨日安値122.38までの下落、AUDJPYでも同74.12を示現しています。

欧州時間に入り、BOE(イングランド銀行)ラムズデン副総裁から「政策金利の下限は(現在の)0.1%、マイナス金利の採用の必要性は迫っていない」との認識が示されました。

この発言を受け、安値圏で推移していた英ポンドが急反発、GBPUSDで昨日高値1.2930、GBPJPYでも同136.23を示現、クロス円全般反発となりました。

米民主党のペロシ下院議長とムニューシン財務長官が追加の財政政策の話し合いに前向きな姿勢を示し、株式市場がこれを好感、ダウ、ナスダックが3日続伸して引けています。

欧米時間にかけては、全般リスクオフの調整局面となり、クロス円がやや戻して引けています。

先週、9/24、トルコ中銀が8.25%の政策金利を2%引き上げ、10.25%とする政策変更を発表していますが、TRY(トルコリラ)は浮上の糸口すらつかめていません。

トルコの8月のインフレ率は11.77%、実質金利(名目金利-予想物価上昇率、10.25-11.77=-1.52%)では依然マイナスです。

トルコリラ建ての銀行預金では受取利息、同債券ではクーポンからの利金が、予想物価上昇率に負け、事実上投資元本が減少しているに等しいわけです。

さらに2%の利上げで、ようやく実質金利がプラス圏に浮上、金融市場はトルコリラの置かれている現状に極めて冷徹、地政学リスクもあり当面下値模索の展開でしょう。

2018年8月のトルコショックをみての通り、トルコリラの混乱は、為替市場ではクロス円の売り要因でしかないでしょう。