西原宏一のシンプルFXトレード 有料メルマガの一部を抜粋してお届けします。

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ユーロ円の中期に関してのご質問を「西原宏一のシンプルFXトレード」掲示板で数件頂いたので、まず見通しの前に、トレーディングにおける現在のユーロ円の特徴について。

友人の銀行関係者によれば、本邦の個人投資家の特徴として、ドル円、豪ドル円については、基本的には押し目買い回転。
特に豪ドル円に関しては1~2週間単位でのロングの回転でうまく運用されてる方が多いというのが
銀行関係者の意見。

逆にユーロ円に関しては、豪ドル円とドル円に比較すると、短期売買の方が多いとのこと。
加えて、ロングもショートも混在しているという状態。

つまり、本屋さんにいくと「ユーロ崩壊」というタイトルが踊っている本が多いわりには
いまのところは、ユーロ圏の努力によって、通貨ユーロに関しては暴落しているわけではありません。

年初は100円を割り込み続落という意見も多かったのですが、FOMCの発表により、業界でも意見が分かれています。
メルマガでご紹介させていただいたとおり、ゴールドマンサックスは、1.38への上昇を見込んでいますが
Morgan stanleyは「1.3250でショートエントリー、stop lossは1.3350」と予想しておりまったく反対の予測です。

いまのところゴールドマンサックスの予想があたっていますが、Morgan stanleyのstop lossがついているわけではありません。

結果としては、ユーロ円という通貨ペアは現状2月29日のLTROや様々なイベントが控えており
プロでも中期でどちらの方向にいくのか意見がわかれている状態、

ただイベントリスクがあり値動きがいいため、短期売買ではある程度利幅がとれるので
現状ではどちらかの方向にベットするより短期で売買するほうが効率がいいということになります。

我々は、エコノミストではなく、トレーディングをしているわけですので
方向性がはっきりしていない状況で、どちらかの方向に決め打ちすると、消耗するだけですので
ユーロ円の中期ポジションをとるのはもう少し方向性がはっきりした後でいいのではないかと考えています。

●ユーロ円のdaily baseの方向性

ユーロ円の動向の前にユーロドルのポイントは、前記のとおりMorgan stanleyが指摘した
1.3350のポイントに注目しています。
先週のユーロドルは何度も1.33台に突入しましたが、1.3350をブレイクしていません。
バリアが断続的に設定されているようで、仮に今週1.33台にはいれば、相場観とは
関係なくstop lossを1.3350近辺においてユーロドルをショートにしてみようと考えています。
例えば1.3320でユーロドルをショートにしてstop lossを1.3350に設定すれば
リスクはわずか30ポイントとなります。risk and rewardがいいわけです。

さてユーロ円ですが、イベントが目白押し。
最大のイベントは2月29日のLTRO.
ユーロ円の相場を左右するユーロドルですが、アメリカもユーロ圏も「通貨安政策」をとっていますので
通貨間の強弱が明確ではありません。
前回のFOMCの発表により、現在はドル安(ユーロ高)のほうが勝っていますが、
ユーロの債務問題により、この強弱感があっさり逆転する可能性は否定てきません。

そこで需給とテクニカル中心にユーロ円の動向を探ることになります。
ユーロはグローバルに依然巨額のショートポジションが残っています。

そのため、どちらかというと日足ベースでは底堅いのではないかと考えています。

ユーロ円の日足ベースを掲示板に添付しましたのでご参照ください。

まずTD-シーケンシャルは1月13日にカウントダウンの13を点灯して以来、基本的には
ボトムアウトしており、上昇基調。
1月27日に一度set upの9を点灯して反落していますが、現在は set up,countdownとも
上昇トレンドの中にあり、実際のユーロ円のレートも100円を回復して以降じり高に推移しています。

ただ一目均衡表の雲の中にあり、この雲が厚いので、しばらくは一方的にあがるわけではなく
反落する局面を加えながらの上昇過程。

金曜日に陰線をだしており、stochasticsからみてもいったんの調整がありそうですが、依然アップトレンドの中にあると考えています。

この上昇トレンドが継続するのであれば、
最初のターゲットは102.46円(このレベルは先週水曜日の高値になっています)でしたが
次は104.44円がターゲットでしょうか?

この流れが続くかどうかは、まず現状のドル円の上昇が続き、78円台が定着できるのか?
もしくはユーロドルの1.3350のレベルを上抜くことができるのか?がポイントになると考えています。

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チャート 出所: CQG   http://www.cqg.com/
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では、今週も頑張りましょう。

西原宏一のシンプルFXトレードより